冬から春になっていくこの季節。
春が待ち遠しく感じます。
雪かきで鍛え上げられた二の腕をたくし上げる季節は
まだもう少し先になりそうです。
この時期は最低気温は氷点下で、
時折最高気温がプラスになったりならなかったり。
プラスになると通りにはここぞとばかりにツルハシやスコップを手に
圧雪や氷をカチ割る人が出てきます。
僕もその一人。
好きなんです。氷割るの。僕は薪を割る手斧でパカパカ割ります。
気持ちいいんです。ツルツルのスケートリンクのようだった歩道が
開通し、地面が見えたときの喜びは人類が未開の地に足を踏み入れた時の喜びに
似ているとかいないとか、、、
とにかく、気温が緩んだときに通りで氷割りをする人たちには共通する喜びが感じられます。
待ち望んだ太陽の光、屋根から落ちる雪解け水、跳ねる水しぶき、割れる氷、弾ける笑顔。
言葉は交わさなくても通じるモノがあります。
同じように大雪が降った日の朝、雪かきをする人々が通りに出てきます。
そして雪が降った時も雪かきをしている者同士、コミュニケーションが生まれます。
吹雪いていたりすると言葉は少ないですが、
共通言語を得た者同士、心の中では会話が生まれています。
「よく降るなぁ」「しばれるなぁ」「風つよいな~」
雪や氷は北海道の冬とは切っても切れないモノ。
それを悪方にするのも味方にするのも気持ち一つ。
太陽が束の間出るだけでポジティブになったり、
雪解け水がマンホールに向かって流れていくのをじっと眺めたり、
気が付けば日がだいぶ長くなっていることに喜びを感じたりするのも
長い冬を越えて、じっと耐えた先に春がくることを知っているから。
そんな風にして春を待つ3月です。
箱バル不動産 苧坂淳