野望というべき、理想像。

私は、過去本気で「アーティストとしてやっていこう!」と思って活動をしていたことがあります。

現在はデザイナーとして、また母親として生きているけど、
その時に出会った「ギャラリーアンテナ」の存在は凄く大きかったと今でも思います。

その「ギャラリーアンテナ」とは、若手アーティストを応援するギャラリーでポートフォリオを置かせてくれたり、
グループ展に誘ってくれたり、私も個展を開かせて貰いました。
展示するだけで物凄く費用のかかるアーティスト活動の中で希望のギャラリーでした。
(現在は閉廊中)

そして、そのギャラリーが入っている「増田屋ビル」も衝撃でした。
外観から好きになるタイプのビルでは全く無く、恐る恐る入ったのを今も覚えています。
内観もほとんど手を加えられていない、昭和初期の鉄筋コンクリート造の中堅ビルといった感じです。

ですが、行けば行くほどに愛着が湧く感じは不思議で、
勝手に自分が「探偵物語」の主人公の気分になります(笑)
窓枠が鉄で出来ていて、ぽってりした感じが中から眺める風景を変えてくれます。
そして、その「ギャラリーアンテナ」のオーナーさんは建築士の資格も持っていて、
ビルに入っている人達や入ろうとしている人達との仲を持つ役割を担っていて、
ビル全体のコミュニティが出来上がっていることが物凄く心地よかったです。

かれこれ15年ぐらい前の話になりますが・・・・、
ずっとあの「増田屋ビル」のことを忘れられず、
函館にも「複合ビル」と呼ぶのか、小さなお店が集まって楽しいことを発信する建物を!
と、資金もないのにずっと妄想していました。
妄想だけど、根拠はないけど絶対に実現する!という野望的妄想・・・。

そんな野望が、縁あって沢山の面白い楽しい仲間にも出会え、
「複合ビル」にもなり得る「建物」にも出会えました。

修復の資金計画のことを考えると頭がいたい・・・。
ですが、その修復を自分達の手で出来ると言うことは、
この上なく楽しいことです。

今も私たちは少しずつ自分たちの手で、このAn deux HOUSEの修復工事を進めていますが、
いつも作業を手伝いに来てくれる元家主のおじいちゃんから、
場所があるならば、またこの家に住めないかという嬉しい提案もありました。
この街とこの建物の歴史を知るおじいちゃんと、この建物のこれからを担っていく若い世代が一つ屋根の下で生活していく。
むしろ、その形がこの建物にとって一番理想的で、
箱バル不動産としても人と人を箱でつなぐ理想のカタチです。

超えなければならないハードルは高いかもしれないけれど、
なんだかとても可能性に溢れていて、
全く新しい空間の使い方のモデルケースになるのでは!?と、
大げさにも使命感に燃えてます。
この自由で希望に満ちた建物がこれからの函館を賑やかにしていくと確信を持っています。

クラウドファンディングの終了まで1ヶ月を切りました。
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箱バル不動産 苧坂香生里