「旧仁寿生命函館支店」再生プロジェクト

平成27年秋、新聞記事で箱バル不動産を知ったというとある建物所有者から利活用の相談をいただいた。築100年以上の歴史を重ねた趣のある建物なのだけれど、それ故に維持するのも大変で取り壊しも考えているとの事。
一度、内覧させていただく約束をし、住所を聞いてメンバー全員が驚いた。
そこは、箱バル不動産立ち上げ当初から、「いつかこの建物の再生プロジェクトに箱バル不動産が関われたらいいね。」と、遠い将来のような話をしていた物件だった。
後日、蒲生、富樫、苧坂淳の三人で建物の中を見せていただいた。
内装は当時の状態で残っていて、天井の銅板を打ち出した模様や建具、照明器具もすばらしい。建てられた当時は、仁寿生命函館支店という生命保険会社であったとの事。
大きな金庫もあり当時の金融機関が持つ重厚感が今も残る。
日本の道百選にも選ばれた「大三坂」沿いに位置し、路面電車内からその姿がはっきりと確認できる為、街並みを維持するためにはかなり重要度が高い。
この建物が壊されてしまう事だけは絶対に阻止したい…
提案内容を考えさせていただき、また後日改めて会っていただく約束をした。
オーナーに納得していただける提案内容を考えなければならない。
僕達はいくつかの提案の中の一つに、箱バルメンバーである(株)蒲生商事に物件を譲ってほしいという内容も加えた。
建物を残す為に確実な方法だ。
納得していただくまで何度もお会いして、提案内容を吟味していただき、オーナーの不安要素をクリアしていった。そして平成28年6月、晴れて僕たちにこの建物の未来を託していただける事になった。
それから函館市役所まちづくり景観課にも相談し、この建物を伝統的建造物に指定しようというプロジェクトも市と連携して動き出し、平成28年7月13日、「旧仁寿生命函館支店」は伝統的建造物の指定を受けることになった。
僕達箱バル不動産は今後、この建物がたくさんの方達に函館西部地区を楽しんでいただき交流が生まれる場所にしていきたいと考えている。
地元の人も泊まりたくなるようなゲストハウス、おいしいモーニングの食べられる飲食店、マイクロブリュワリー… 日々妄想は膨らむばかり。
「旧仁寿生命函館支店」再生プロジェクト、始動します。
daisanzaka2016