試練は乗り越えるためにある。

掃除も終わって、あと二日でバル街開催!
ノブさんが一人夜な夜な仕込みをしていた時、
台風のような雨と風に襲われ、1階の窓がパリーン・・・。
葺き替えたはずの1階部分の屋根からも雨漏りが・・・。
An deux HOUSEが飛んでしまいそう・・・。
夜遅くにノブさんからの連絡で、箱バルメンバーは凍りついてしまいました・・・。
その晩は何とかベニヤで窓を塞ぎ、朝を待ちました。
翌朝、富樫さんが大急ぎで応急処置をしてくれて、
何とかこの非常事態は乗り越えました。

が、しかし、
早急に2階部分の屋根を葺き替えないといけない!!
それには今、お金がない・・・。借りたお金も全部使ってスッカラカン。
頭の片隅にあった「ファンディング」の文字が特大になって、
気がつくと私は大至急で「募金のお願い」チラシを作っていました。
何とか、このAn deux HOUSEを繋いでいきたい。
私の仕事はデザイナーで、今出来ることはこの状況をcatch&releaseすること。
とにかく走り出さなくてはいられない。

モヤモヤを抱きつつも、それが築80年の建物の現状。
主人の店のtomboloも築96年。同じだった。
6年前の第1期の改装では全て終わらず、去年の第2期工事でようやく雨漏りなどの問題が解決。
それもこれも、「伝統的建造物」の指定を受けている建物だったため、
助成金で一部をまかなう事が出来たから。
An deux HOUSEも長期的なプランを現実的に立てないといけない。

だけどもうバル街開催の前日。
そんな頭の痛い問題もありますが、
ようやく「Transistor CAFE」「箱バル不動産」の看板がついた!!
制作を主人の淳が、設置をタカくんが真鍮のマイナスネジを探してきて付けてくれた!
少し明日バル街が楽しみになってきた。

そしてバル街当日の朝に募金チラシが到着し、An deux HOUSEとtomboloにて配布開始。
今回は平日だったため、個人的に娘の小学校・保育園の迎えやtomboloの他のイベントの発送準備などなど
諸々の仕事に追われ、An deux HOUSEに行けたのはようやく午後6時。
いてもたってもいられなくなって、バル街の要所・まちづくりセンターに行って蒲生君とビラ配り。
バル街mapを持って歩いている人や、他店の順番待ちをしているお客さんに無理を承知で広報活動。
わたしのつたない説明を皆さん一通り聞いてくださり、そのまま直接An deux HOUSEに向かってくださる方も多数。
実はバル街前日に、NHKの夕方のニュースで2分ほど紹介して貰った甲斐もあり、説明がスムーズだった。
今の現状を見て貰って、また次の状況をカッコよく見せたい!
今出来ることは、とにかくTransistor CAFEに行って見て、バル街を楽しんでほしい。
色々出会いがうまれたこの家に明かりがともって、人がたくさん賑わっている様子を見ると私も目頭が熱くなりました・・・。
ずっと外にいたので店内の状況はわからなかったけど、
後から聞いた話では夕方以降は人が途切れることなくご来店くださり、
盛況に終わったとのこと。
箱バルの活動に興味を持ってくださる方や、不動産相談などもあり、充実した1日でした。
私は20時にtomboloに戻り、21時までtomboloのバル街営業に参加していましたが、
Transistor CAFEでは、念願のお疲れ様乾杯をしてから朝方まで語り明かしたとか・・・。
みんな本当にお疲れ様でした・・・。

そんな感動も束の間、次の日からまたノブさんはGW(ゴールデンウィーク)営業の為、
色々と片付けたり、準備したり。
ノブさんはおじいちゃんと一緒に2階のでっかいスピーカー(1個大人ぐらいの重さがある!)を
降ろしてきて、アンプに繋げてくれてた。
前所有者と現所有者の共同作業。

実は、函館西部地区は1年の中で一番GWが忙しい。
春になって桜も咲くし、一番気持ちいい季節。
tomboloもテンヤワンヤで、ノブさんを手伝えず、
結局お客さんとして娘2人と来店。
まったりしていた矢先、強風で2階の窓がまたまたパリーン・・・。
(その日は娘二人が飛ばされそうなぐらいの強い風が吹いていました。)
他にも店内にお客さんが居られ、確認の為大急ぎで外へ。
そしたら、前所有者のおじいちゃんとゆきさん(ノブさんのパートナー)が壊れた窓枠や硝子を集めてくれていた。
私は急いで2階に窓の補修をと、素材を集めて途方に暮れていた・・・。
でも早く閉じないと他の窓も飛ばされそう。
そこへまたおじいちゃん登場。一緒に補修工事をしてくれた。
私は大工仕事のセンスが全くないので本当に助かりました・・・。
この非常事態も、応急処置が済み・・・帰宅・・・。
問題が山積みだ・・・。

それでもTransistor CAFEのGW営業は温かいお客さんに恵まれながら
無事終わって、ノブさんはさていよいよ薪釜製作開始。
そんな中、また試練がやってきた。
よこなぐりの大雨が降ったある日、
「新たな場所から雨漏りが・・・」とノブさんから連絡。
急いで現場を見に行くと、現状はかなり切迫している。
今まで内壁がついていた分、見えていなかった雨漏りが本当の意味でスケルトン状態。
原因は一つではない気がして、富樫さんとまた相談・・・。
相談しても、今は応急処置しか出来ない。

数日後、恐らく雨漏りの原因の一つと思われる2階の外壁の大きな穴を塞ぐ作業をしに、An deux HOUSEへ。
内壁製作中のノブさんに出会い、協力してもらうことに。
長い梯子を掛けて、板を張ろうと思ったらモルタルの壁に遮られる。
大量のパテで穴を塞ごうということになり、私も登ってみるもメチャクチャ怖い・・・。
結果、ノブさんが登って補修してくれた。
一先ずの応急処置が完成。
古い家って色々あるな・・・。

早急に「募金のお願い」の内容を計画的に進めないとAn dexu HOUSEが崩れてしまう。
「クラウド・ファンディング」について、現実的に考えていこうと本気で決意した日でした。

ただ、「ファンディング」することで函館西部地区をAn deux HOUSEをカッコよくアピールしたいと
思っています。
近日中にまたお知らせしたいと思っています。
是非とも温かいご支援よろしくお願い致します。

箱バル不動産 苧坂香生里